〜実際に考えられる問題点と、私ならこう活用する〜
前回の記事では、0歳からNISAをフル活用した場合のシミュレーションを紹介しました。
「20歳で6,000万円」「30歳で1億超え」…数字だけを見ると夢のようなお話でしたね。
しかし現実には、そう簡単にはいかない理由がいくつもあります。
今回はその「実際に考えられる問題点」を整理しながら、私自身ならどう活用するかを考えてみたいと思います。
実際に考えられる問題点
1. 富裕層しか実現できない?
月30万円を積み立てられる家庭は限られています。多くの人にとっては「まずは自分たちの生活が精一杯」で、次世代の資産形成に資金を回す余裕はなかなかありません。
2. 私たち世代の投資リテラシー不足
親世代が「貯金しか知らない」ままでは、子どもに投資を教えることはできません。まずは私たち自身が「貯金+投資の二刀流」を実践し、経験を積む必要があります。
3. 「子どもに資産を残す」発想が薄い
日本では「子どもの自立を支える」文化はあっても、資産を次世代に積極的に残す意義には賛否があります。ですが、NISAを「金融教育の教材」として受け渡す発想はとても大切です。
4. 伝え方の難しさ
せっかく資産を作っても、どう子どもに伝えるかで意味が変わります。若い時は将来の資産価値を実感できず、親の一方的な思いでは響かないこともあります。
5. 子どもがお金に依存するリスク
資産をただ渡すと「苦労せず得たお金」に依存してしまう恐れがあります。大切なのは「資産をどう活かすか」を一緒に考えるプロセスです。
6. 制度変更リスク
NISAは素晴らしい制度ですが、将来も同じ条件で続く保証はありません。制度変更や税制改正のリスクも念頭に置いておくべきです。
7. 親自身のライフプランとの両立
子どもの将来に資金を回しすぎると、親自身の老後資金が不足する可能性があります。まずは自分の生活基盤を整えることが優先です。
私ならこう活用したい
私が大切にしたい考え方は、「釣った魚を渡すのではなく、釣り方と釣竿を渡す」ということ
資産そのものをプレゼントするよりも、「資産の作り方」や「投資の仕組み」を伝えることを重視します。
① 私は独身で、すでにNISAを実践している場合
- 子どもが生まれたら、口座を開設し可能な範囲で資金を入れる
- 将来、子どもに「お年玉を投資に回す」等、お金が増える体験をさせる
- 子どもが働き始めたら、自分の収入から積立をするアドバイスをする
親が少額でも支えながら、子ども自身が「お金を増やす経験」を積んでいくことが大切です。
② 私と子供がすでにNISAを実践している場合
- 私が孫の誕生祝いとして例えば、孫の口座に50万円を贈る
- 子供は孫のために月1万円の積立を設定する(20年後、約730万円になります)
こうして「お金を贈る」だけでなく、「考え方」や「習慣」を世代を超えて引き継ぐことで、家系全体が豊かになります。
まとめ
0歳からNISAをフル活用するシミュレーションは夢のような数字を示しますが、現実には多くの課題があります。
だからこそ重要なのは、まず自分自身が投資を実践し、経験を積むこと。
そして「資産」だけでなく「資産を作る知恵」をリレーションしていくことです。
こうした考え方が受け継がれていけば、家系全体が経済的にも精神的にも豊かになっていくと、
私は信じています。
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